どーも、RACCOGARDENのグラです。
最近めっきり寒くなってきました。
芸術の秋ということで、映画を見る時間も増えています。
そんなこんなで前から少し気になっていた
ホラー映画『来る』を見てみました。
今回は、そんな邦画のホラー映画である『来る』について
詳しく書いていきたいと思います。
『来る』ってどういう映画?
『来る』は、2018年に公開された岡田准一主演のホラー映画です。
出演者は黒木華や妻夫木聡、松たか子など
豪華なメンバーが勢ぞろいです。
内容としては、ある村に伝わる怨霊に目をつけられた
新婚の男、田原。
田原は子育てブロガーとして良い父親を演じるが、
家庭はそっちのけ。
そして次第に仲が悪くなるうえに、
家ではなにやら怪しい雰囲気に包まれます。
何かに呪われていると危険を察した田原は、友人の紹介で
キャバ嬢であり、霊媒師のようなことをしているマコトに会います。
命を狙っている怨霊は「ぼぎわん」と呼ばれる
田原の生まれ住んだ村に伝わるもの。
はたして、田原はぼぎわんから逃れる術はみつかるのか。
マコトとその姉、全国の霊媒師も含めたぼぎわんとの壮絶な
除霊が始まるというものです。
ネタバレなしでの『来る』の紹介

ここからは、『来る』についての魅力を語っていきますが、
まだ見ておらずネタバレしたくないという人もいることでしょう。
なので、まずはネタバレのない程度に
『来る』の魅力を語っていきたいと思います。
ネタバレしても良いよという人は、
最後までお付き合いください。
ホラー映画だけど怖くないエンターテイメント映画
『来る』は、はっきり言ってホラー映画としては怖くありません。
もちろん怨霊などを取り扱う作品なので、血が出たり、
ちょっと驚かすような描写はあります。
ですが、比較的明るい色合いだったりテンポで怖さよりも
エンターテイメント性が勝っています。
そのため、怖がりの人が見ても全然楽しめるでしょう。
この『来る』の魅力は、何と言っても謎の怨霊『ぼぎわん』
を退治するために最終的に集まる様々な霊媒師たちの戦いです。
松たか子や小松奈菜が霊媒師にあたるのですが、
それがめちゃくちゃかっこいい。
魅力にあふれまくってます。
ホラー映画って基本的に画面が暗くてじめじめしている感じが
する作品が多いです。
なので、そういう雰囲気だけで怖いと思わされることが多いのですが、
この『来る』は基本的に色鮮やか。
ポップとも呼べるほどに明るい色を取り入れていて、
昼間のシーンも多いのでそういう点でも
あまり怖いという雰囲気を感じません。
もちろんそれが悪いわけではなく、
ホラーとして幽霊的なものを使っていないのが
良いところだと思います。
『来る』に出てくる怨霊のぼぎわんは、あくまで脇役。
主役となる岡田君や妻夫木聡なんかがどうなっていくのか、
どういう風に変化するのかがメインになるので
最後まで飽きずに見れるでしょう。
原作ファンには批判が出ているとも聞いていますが、
原作を知らずに見た僕にとっては十分楽しめました。
怨霊も怖いけど、ヒトコワ系も入ってる
ホラー映画では、いろんなジャンルがあります。
血がたくさん出るスプラッター系もあれば
怨霊などの王道系、はたまたお化けなどではなく
人間の怖さを描いたヒトコワ系もあります。
今回の『来る』では、ぼぎわんという怨霊という
エッセンスもありながらも
ヒトコワの要素も交じっています。
一見普通でいい人に見える人でも他の角度で見ると最悪だったり、
滅茶苦茶嫌な奴に見える。
そういう部分も『来る』では、描かれています。
『来る』では何度か主人公が変わる珍しい構成で
それによって序盤に良い人だと思っていた人物にも闇が見えています。
この辺の場面転換やいい意味での大きな視点替えもあるので
最後までのめり込んでみることができるでしょう。
シナリオライター目線の『来る』

ここまでは、ネタバレなしでの『来る』について
紹介してきました。
ここからは、ネタバレも含めて紹介していきたいと思います。
ここからは、後半の内容もがっつり触れて紹介していくので、
まだ見ていなかったり、先を知りたくない人は他の記事を
読んでみてください。
とにかく主人公がいい意味で大嫌い
序盤の主人公は、妻夫木聡演じる田原という男です。
この男がまぁ、僕の一番大嫌いともいえる男。
とにかく薄っぺらく、ただ騒ぎたいというか目立ちたい
パーティーピーポー系の男。
物語序盤でいきなり、結婚式のシーンや
親族の葬儀のシーンがあるのですが
とにかく周りに良い格好しいで、
奥さんに迷惑をかけ続けます。
さらには自分中心で人の気持ちを考えない。
盛り上がりたいだけで中身もなく、
ブログでは良い格好をしているわりに
実は何もやっていないという無能ぶり。
しまいに浮気もしているクズ男です。
この辺のダメ男加減を妻夫木聡は上手く演じています。
そんなこんなで、その田原は、ぼぎわんに狙われて
胴体を引きちぎられて絶命します。
正直この時はぼぎわんよくやったと、ちょっとスカッとしました。
さきほども紹介しましたが、この『来る』では
主人公となる視点が何度か変わります。
始めは妻夫木演じる田原目線。
次は田原が死んだ後の黒木華演じる奥さん視点。
そして、最後が岡田准一演じるライターの野崎視点。
こうやって違う人の視点で登場キャラクターを見ていくことで
違う一面が見えていくというのは演出的にかなり良いと思いました。
これってなかなか書くときは難しいんですよね。
シナリオライターとして、この見せ方はかなり憧れます。
霊媒師のスペシャリストがめちゃくちゃかっこいい
『来る』の終盤では、どんどんとぼぎわんという
怨霊の怨念が強くなっていき、
手が付けられなくなっていきます。
そこで、いろんな霊媒師の手によって祓うことになっていくのですが、
その途中途中で出てくる霊媒師たちがいちいちかっこいい。
その中でも柴田理恵が演じる霊媒師のかっこよさが際立ちます。
柴田理恵と言えばバラエティー番組なんかで
オーバーリアクションしたり、感動シーンを見て
号泣している国民のおばさん的キャラです。
しかし、この『来る』では、全く違います。
まじで、できる霊媒師オーラが半端ない。
なんか怖いし、タダ物ではない感がすごいんです。
物語中盤で田原に助けを求められて、
ぼぎわんい片腕を持っていかれるのですが
その後も片腕で除霊に携わります。
このプロフェッショナル感が素晴らしく、
めっちゃかっこよく感じました。
松たか子も力のある霊媒師として登場するのですが、
普通じゃない感がすさまじく
これも良い。
なんかどれもジョジョのスタンド使いとかで出てきても
おかしくない雰囲気です。
霊媒師って胡散臭いイメージが強いですけど、
本当に力があるっぽいなという言動や見せ方がかなり気に入りました。
最後のクライマックスでは、全国各地の霊媒師が集まって、
田原の住むマンションにぼぎわんを呼び出します。
そして、霊媒師もバンバン死んでいく中で除霊が始まります。
この見えないうえにありえないほど強い怨霊と、
霊媒師たちの戦いはなんだかライブ映像というか
ロックの音楽を見ている感覚に近しいものを感じました。
監督が『告白』や『渇き』などの作品も務める中島哲也さんだけに
構成や演出的にもかなり邦画としてはいい出来な映画だと思います。
序盤と終盤のコントラストが素晴らしい大除霊バトル映画
今回は、映画『来る』のレビューをしました。
ホラー系が本当に一ミリも無理という人以外は、
楽しんで見れると思います。
中には痛々しかったり、血が出る怖いシーンもありますが、
エンターテイメントとして十分に面白いです。
柴田理恵や小松奈菜、松たか子といった演技は
女優さんの怪演をみるだけでもこの作品を見る価値はあります。
そして、主役の岡田君は、どんな役もいい味出してますね。