
どーも、RACCOGARDENのグラです。
秋になったので、読書の秋ということで
最近漫画をよく読んでいます。
そこで最近ハマっているのがホラー漫画。
怖いもの見たさでついつい読んでしまします。
そこで、最近購入したのが楳図かずおの『漂流教室』
今の若い世代の人は知らない人が多いと思います。
僕も全然世代ではないのですが、小学生くらいの時に
連続ドラマで『漂流教室』がやっていて少しだけ見ていたのを
記憶しています。
実はそのドラマ、山田孝之や山Pなど今思うとあり得ないほど
豪華なメンバーが勢ぞろいでビックリするんですけどね。
そんなこんなでドラマと漫画では何が違うのかも
確認するために読んだのですが、一気読みしてしまいました。
そこで、今回は『漂流教室』のあらすじと見どころについて
詳しく紹介していきます。
『漂流教室』のあらすじ

漂流教室は、ある日小学校が地震に見舞われて
一瞬のうちに消えてしまいます。
主人公は小学6年生の高松翔。
翔は、母親と喧嘩してもう二度と帰らないと言い残して
学校へ向かいました。
そんな時に大地震。
翔は気が付くと、学校の周りが何もない
砂漠になっていることに気づきます。

訳も分からないまま外に出る生徒たち。
先生も含めてパニックになります。
あり得ない状況に大人たちも狂いだし、
どんどんと最悪な方向に進んでいく
取り残された子供たち。
800人を超える学校にいた生徒と先生たちは、
どうなったのか。
そもそもなぜ周りが砂漠になってしまったのか。
SF要素もある近未来ホラー漫画です。
漂流教室の見どころ

漂流教室のあらすじについて紹介してきましたが、
見どころはどのような部分なのでしょうか。
漂流教室はもうかなり古い作品なので、
ネタバレも何もないかとも思います。
ですが、一応この先はネタバレもありで
話していきますので、全く知らないで物語を楽しみたい方は
他の記事にお進みください。
では、面白いポイントをいくつか紹介していきます。
とにかく内容が深くて斬新

漂流教室の見どころは、なんといっても斬新な設定です。
今と比べるとかなり古い作品なので、
時代は感じます。
コマワリやキャラ紹介、他にも会話のテンポなど
違和感がないわけではありません。
しかし、それを補うだけの圧倒的な迫力というか
物語の展開にどんどんと引き込まれます。
まず、そもそもいきなり学校が未来の
何もない滅亡寸前の日本に吹き飛ばされるという
設定がすごいです。
これを1970年代に描いたのかと思うと余計すごく感じます。
楳図かずお先生と言えば『グワシ』という謎のポーズと
赤と白のボーダーを来たおじいさんという
イメージしかありませんでした。
しかし、漂流教室を読んで、改めてすごい人なのだと
リスペクトしかありません。
また、未来に送られる主な主人公たちが小学生というのも
かなりのポイントです。

普通小学生なら未来の何もない砂漠にいった時点で、
ほぼ詰みです。
余りにも頼りなさすぎる存在であり、
普通なら数話で息絶えると思います。
しかし、この漂流教室に出てくる小学生の精神力の強さが
とにかく強すぎる。
昔の内容だからというのもありますが、
年上だからというだけで小学6年生が
急に訳も分からないところに飛ばされて
他の子たちに不安を見せないために歯を食いしばって
泣かないようにするシーンなどは衝撃的でした。
ツッコミどころは多いけど最後まで気が抜けない

漂流教室は、近未来SFであり、
あり得ない話なんだけどどこか説得力があります。
実際数十年後、もしくは数百年後は世界は滅びていて、
何もない砂漠になっているという
可能性も否定はできません。
そこら辺のあり得る部分とあり得ない部分の融合が
上手い具合に組み合わさっています。
また、絶妙に絵が気持ち悪く、それも相まって
未来の新種の生き物やキノコなどが
不気味で雰囲気を引き立たせます。
途中で出てくる巨大な怪虫が実は、
ある生徒の妄想から生まれた生物だったり、
地震のせいで未来に学校だけ時空がゆがんで
飛ばされるなど今の科学では
まずありえない部分も存在します。
しかし、そういうツッコミどころも含めても
今読んでも楽しめるでしょう。

個人的には、せっかく生徒がたくさんいるので、
もう少しキャラ付けをしっかりしたり
見た目を特徴的にしてほしいという好みもありましたが、
かなり好きな作品です。
逆に今の時代で誰か他の漫画家がリメイクして
作り直したものをもう一度読みたくすらあります。
人間の悪の心理描写やどこまでも救えない状況が怖い

漂流教室は、怒涛の勢いでとにかく
ハプニングが続いていきます。
序盤から畳みかけるように不幸が重なり、
死人がバンバン出ていきます。
そして、大人であればあるほど
現実と常識のギャップに付いて行けず
狂ってしまうところがかなりリアルに感じます。
比較的物語序盤で十数人はいたであろう教師たちは、
自殺したり、殺されたりで消えます。
もしくはせっかく仲間だと思っていた先生も
自分だけ生き残ろうと食料を独り占めしたり、
生徒を一人一人殺しにかかります。

この辺の人間の闇が上手く描かれており、
実際未来に飛ばされた状況よりも人間の方が恐ろしいという
ヒトコワの要素も含まれているのが漂流教室のいい部分です。
生徒間でも殺し合いが始まったり、何かと派閥争いや差別が
あるなど常にピンチがついて回るのが
緊迫感があっていい部分です。
ただ、個人的にはライバルである大友という少年が急に
主人公と仲直りし始めるラストの方は、もう少しうまく
できなかったのかと若干悔やまれるような気がします。
古い作品ということもあって、演出などがまだまだ
発達していなかったのかなと時代も考えさせられる
作品ともいえるでしょう。
実際体罰的表現や男女差別的表現など、
今なら苦情殺到ともいえる内容のセリフや行動も多いので、
その点は注意して読んだ方が良いかもしれません。
良くも悪くも時代が出てるなと感じました。
ドラマ版との違いは

漂流教室は、2002年に窪塚洋介が主演で
フジテレビで放送されていました。
正直言えば、ドラマと原作では改変部分も多く、別作品です。
僕はこのドラマ版を小学生時代に少しだけ見た記憶があったので、
こちらのドラマ版の方が思い入れが強いです。
なので、実際放送当時はかなり賛否両論あったともいわれています。
ですが、個人的にはドラマ版もかなりお勧めなので、
漂流教室好きはぜひ見てほしい作品です。
では、原作とドラマ版の違いはどのような部分なのでしょう。
主人公の多くは小学生じゃなく高校生

まず、ドラマ版と原作で一番の違いは、
小学校ではなく高校が未来に行ってしまうことです。
そのため必然的に主人公たちも高校生であり、
冬休み中に補修に来ていた生徒数人と
残っていた先生が未来に送られます。
小学生ではあまりにも生き残れない場面が多いということと、
恋愛要素などを含めるのに高校生の方が都合がいいという
制作者側の意図も分かります。
ですが、実際僕は高校生の方がそれぞれがキャラが立つし、
問題も起きやすいので良いと思っています。

また、冒頭でも紹介しましたが、
俳優がかなり豪華メンバーというのもポイントです。
高校生側の主人公である高松には、山田孝之。
そのライバルポジションであり、
ドラマだと高松の親友の大友が山Pです。
そして、香梨奈や水川あさみなど今でも活躍している人も
高校生役で出ています。
ドラマ版では、主役を先生にしてあり、新任の教師の窪塚洋介。
そして、かつてその高校で教師をしていて辞めたものの
たまたま学校に来ていた元教師が常盤貴子です。
この辺の子供だけではなく、大人の試行錯誤や
恋愛要素もうまく描かれていて
今のドラマにない面白みがあります。
今のドラマは、ほとんど中身のないつまらないものが多いですが、
2000年代前半くらいはまだドラマ全盛期もでもあり、
ツッコミどころは多くても内容は濃くて面白いと感じるので
ぜひ知らない人は見てみてください。
大幅にカット部分あり!

連続ドラマ版は、尺の都合もあって
カットされている部分は結構あります。
また、原作は怪虫や未来の植物など、
当時の2002年の技術ではどうにも
映像化しづらいものもあるので、
そこらへんは上手くカットしてあります。
その分ドラマオリジナルキャストだったり、
オリジナルのストーリーを
足しているのも魅力の一つです。
連続ドラマ版でもCGをかなり多用してはいますが、
当時クオリティなので、若干の違和感や荒さは
しょうがない部分もあります。
原作の場合はSFホラーですが、
連続ドラマ版は恋愛要素なども含めて
いい感じにホラー過ぎず見やすいので、
クセが少ないのも良いところかもしれません。
原作も連続ドラマも同じテーマを扱っていますが、
ある意味別物で派生した別物語という認識で
見るのが良いでしょう。
1話1話の内容も濃いので、引き込まれるはずです。
ラストは賛否両論あるがぜひ今見たい作品

今回は漂流教室の紹介をしました。
漂流教室は、古い作品ながらも面白い部分も多く、
引き込まれる魅力があります。
ドラマ版は、なかなかレンタルもないので、
DVDを購入するなどしか見れないと思いますが、
かなり深くて楽しめる内容なのでぜひ見てほしいです。
個人的には今の時代で実写映画化なんかしてくれると
より期待できる作品だとも思っています。
秋の夜長にホラー作品を楽しみたい方は、
ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。