物語の初めはとりあえずインパクト!面白いシナリオの序盤の作り方

どーも、RACCOGARDENのグラです。
シナリオライターをやっていると
リライト案件を受けることもよくあります。
リライト案件というのは、すでにある程度出来上がった
内容のシナリオをより面白く改変したり、
設定だけもらって後はオリジナルにするような仕事です。


そんな時によく思うのが、物語の序盤があまりにも
残念過ぎる作品があるということです。

初心者では、このシナリオの序盤の
書き方がわかっていないことで
かなり損していることがよくあります。
そこで、今回は、シナリオの序盤の書き方について
紹介していきます。

絶対にやってはいけないシナリオの始め方

すぐにどうやるべきか教えるのもいいのですが、
あまりにもやってはいけないことを
やっている人が多いので
ダメな例を少し上げていきたいと思います。
もちろん、時と場合によってはダメな始め方が
ベストな作品もあります。


しかし、多くの場合は避けたほうが良い、
序盤の書き方でそれだけで読者を遠ざけてしまう
可能性があるものも多いです。

では、どのようなシナリオの始め方がダメなのでしょうか。
2つ紹介していきます。

ダメな例その1 主人公が自己紹介しだす

『俺の名前は、○○』
この自己紹介で始まる物語は、たいてい最悪です。

ですが、かなりの人がこれで始めています。
昔話の『昔々、あるところにおじいさんと
おばあさんがいました』と
同じようなことをやっているようなものです。
初心者を脱出したいなら、まずこの書き始めは
絶対に止めましょう。
はっきり言って、めちゃくちゃダサいです。


なぜ、この始め方がダメなのかというと、
いきなり紹介されても読者は知らねーよと
興味を持たないからです。

それにあまりにベタで時代遅れです。
もちろん最初だから読者は、読むしかありません。
しかし、キャラ紹介なんて後からできます。
そもそも、誰かに自己紹介すること自体少なくないでしょうか。
主人公がいきなり読者に語り掛けている時点で、
たいてい面白くないです。
それよりも、まずは物語を見せましょう。
自己紹介はその後であり、わざわざ本人が言うものではありません。

ダメな例その2 ナレーションから丁寧に世界観を説明する

自己紹介の次に多い始め方が、
長いナレーションで始まるものです。

シナリオを書くとなるべく読者に今起きていることが
わかるように説明したくなります。
理解してもらわなければ意味がないからです。
しかし、初見の作品なんてマジで誰も
興味を持っていないくらいに思いましょう。

人はそうそう長い時間集中力が続きません。
ましてや、面白いかもわからない作品に対して、
いきなり長ったらしい説明など見たくもありません。
その時点でたいていの読者は離れます。


世界観や設定は、あくまで文字で説明するのではなく、
会話や日常の場面で見せること。

時代はどんな時で服装や宗教はどうなっているのかなどは
街並みを描けばなんとなくわかります。
江戸時代なら城下町などがあるでしょうし、
未来なら車が飛んでいる場合もあるでしょう。
とにかくナレーションで、ここはどういう場所で
どんなところかなどなるべく教えない。
語りすぎは良くないです。
教えるとしてもそれは中盤に入ってからです。
最初は、ナレーションなんて読んで
もらえないくらいに思いましょう。

シナリオのおすすめの序盤の書き方とは

さぁ、お待たせしました。
いよいよシナリオの序盤の正しい書き方です。
あれもダメ、これもダメと言われたら
どうしたら
いいかわからないですよね。
でも大丈夫です。
シナリオを作ること自体は思っているよりも簡単です。
それでは、さっそく紹介していきます。

まずはサビから!序盤で大事なのはインパクト

シナリオは、ライブや音楽に似ている部分があります。
あなたはライブに良くいきますか?
僕は残念ながらないです。
人混みが嫌いなので・・・
ただライブ映像やDVDはよく見ます。
そんな中でたいていのライブの始まりは、
盛り上がる盛大な始まりじゃないでしょうか。
嵐やSEKAINOOWARI、多くの歌手は最初に
定番かつ盛り上がる歌を一発目に持ってきます。
シナリオも同じことです。
まずはインパクト重視。
とにかく面白いところの先取りです。


数十年前は、この方法は邪道でした。
しかし、インディージョーンズなどで
スピルバーグ監督がやるようになってからは
これが成功例となり、漫画でも
多くの作品が活用しています。
まずは、盛大なバトル、もしくは
インパクトのある映像。

序盤は派手に盛り上げます。
読者を置き去りにするくらいがいいでしょう。
僕もそうでしたが、初心者の人ほど
読者に分かってもらおうとします。
それは良いことです。
しかし、わかってもらっても面白くなければ意味がありません。


シナリオに置いて読者を置き去りにするのは、良いことです。
置き去りにすれば『これってどうゆうこと?』ってゆう
疑問が生まれます。
そうなったら、答えが知りたいので続きを読みますよね。
こうやっって疑問を持たせたり、とにかくなんかすごいと
思わせれば序盤は成功です。
そこから世界観や設定、キャラクターをより
詳しく見せていきましょう。

序盤はとにかく走れ!疾走感が命

これはバトル漫画なんかによく言えることですが、
困ったら主人公を走らせる。

これにつきます。
安易ですが、ナレーションや自己紹介で
始まるくらいなら、断然マシです。
僕がまだ漫画家を目指していて、
集英社に持ち込みをしていたころ、
担当の編集によく言われました。
『漫画の決め手は最初の5ページ以内。
最初が面白くないと先は読まれない』

これはかなり大事なことです。
読者は、みんな暇じゃありません。
多くのコンテンツがあり、楽しいものは山ほどあります。
ちょっとつまらなかったら、
すぐに他のコンテンツに行ってしまいます。
とにかく最初で心をつかむ。
そのためには、どんな手も使いましょう。


そこで一番簡単な序盤が走らせること。
何かに追われていても良いですし、追っている。
もしくは、何かに間に合うように
急いでいるのでもいいでしょう。
物語を始める時に何も丁寧に初めから書く必要はありません。
自分が描いたシナリオで一番面白い部分の
少し前を序盤に持っていく。

もしくはすでに大ピンチの場面からでもいいでしょう。
なんかわからないけど、ヤバそう。
とにかくどう生き延びるかは見てみようと、読者も
いきなり読まなくなることはないでしょう。
ピンチを書いて、過去を振り返るようにすれば
設定やキャラの紹介、目的もうまく見せることができます。
そして、また盛り上がりをラストに書けます。


シナリオは、とにかく見せる順番です。
七ならべや大富豪と同じで、強いカードから切っていく。
そして、少し弱いカードを見せて、最後に切り札をドン!
これが面白いシナリオの王道の並びです。
たいていの賞を取る作品は、この構成になっています。
序盤が命だと思って、なんとか続きを見てもらえる
インパクトある始まり方を模索しましょう。

始まりよければ全てよし!先手必勝で逃げ切ろう

今回は、シナリオの面白い序盤の書き方を紹介しました。
シナリオライターとして、最後まで飽きなく
読ませることができればある程度勝利です。

もちろん面白いと思ってもらうのも重要ですが、
そこは好みもあります。
自分が面白いと思うものを書くこと、
そしてどう見せるかを意識することが大事です。

スポーツなんかだと接戦の末のピンチからの
大逆転が盛り上がります。
ですが、シナリオは先手必勝。
攻めて攻めて攻めまくりましょう。


特に少年漫画。
日常系などのゆるい作品は、少し例外もはさみますが、
序盤が重要なのは同じです。
とにかく序盤からトップギアで、
走り抜けるような物語であれば
疾走感も感じられて面白くなるので
騙されたと思ってやってみてください。
それと読者を信じましょう。
読者もバカではありません。
多少の説明不足でも、なんとなく
理解してくれていることもあります。

この辺の匙加減が難しいところですが、
それがシナリオ作りの醍醐味です。

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