
シナリオ作りは、プロットの段階で面白いかどうか決まる
どーも、RACCOGARDENのグラです。
あなたは、何か作る時説明書などをよく読みますか?
料理でも、プラモデルでも電化製品の
買い始めの時でもなんでも良いです。
僕は、とりあえずやってみちゃう派です。
しかし、物語を作る時は、プロットが最重要です。
プロットというのは、物語の枠組みのこと。
いわゆる物語を書くにあたってのざっくりとした設計図で
どのような展開になっていくかを書いていく
進行表のようなものです。
今回は、シナリオライターの僕が
プロットの大切さについて紹介していきたいと思います。
プロットの書き方とは

そもそも、プロやシナリオをよく書かない人でもない限りは、
プロットという言葉も知らないという人もいるでしょう。
なんとなく思いついた物語を、そのまま書いたり
何かの真似をする人もいると思います。
しかし、はっきり言いましょう。
プロットを書くだけで完成度は、確実に上がります。
では、プロットの書き方とは、
どのようなものなのでしょうか。
詳しく紹介していきます。
書き方その1 キャラクターを作る

まず、物語の根幹は、キャラクターです。
キャラクターの作り方は、
過去記事でも紹介しています。
今後も書いていく予定なので、
そちらも呼んでみてください。
キャラクターが決まっていないのに、
プロットを作ることはできません。
今までにも何度か書いていますが、
物語で一番重要なのは、キャラクターです。
キャラクターがしっかりしていなければ、
どんな伏線があって素晴らしい展開でも面白くありません。
めちゃくちゃ地味で何も話さない人と
どんなに豪華なレストランや
遊園地に行ってもつまらないですよね?
逆に好きな人とならコンビニに行くのも楽しかったりします。
つまり、誰を見たいかということです。
キャラクターを先に作って、魅力のあるキャラになったら
じゃあこのキャラを元にどういうプロットにしようか
という話になっていきます。
書き方その2 起承転結で分ける

キャラクターができたら、
いよいよプロットの作業に入ります。
プロットとは、簡単に言えば大まかなあらすじです。
あらすじのより、骨組みというか、
無機質などういう出来事があるかの羅列にも近いです。
ここでどういう風に書くのかというと、
僕の場合は、ざっくりと起承転結で4分割します。
最初にキャラクターの登場シーン。
ここでキャラの職業やどういう人物かをエピソードで見せます。
すでに物語が開始しているようにピンチに
巻き込まれていると良いでしょう。
初心者の人は、『序破急』と言って、
三部構成にしても良いと思います。
序でキャラの紹介。
破で、物語が大きく動いて、
急で完結させるという流れです。
承では、他のキャラとの出会いや、
今どういう問題が起きているかを
読者にもわかってもらう段階です。
漫画の読み切りなんかだと、ヒーロー的な主人公が
出てきて雑魚を倒し、ヒロインに今のは何だったのか
説明したりするのが王道です。
そこから転になり、物語の悪役が出たり、
主人公に大きなピンチが訪れます。
ここで一気に主人公をいじめぬく。
もう駄目だと思わせといて、結では主人公の奥の手や
新たな気づきを得て問題を解決してさらっと完結させる。
昔の海外映画だととりあえずカップルが抱き合いながらキスしとけば
終わった感が出てましたね。
でも、明らかにハッピーエンドと分かるものの方が
爽快感も出て良いと思います。
書き方その3 重要なセリフや思いついているイメージ書く

人の記憶というのは、あいまいです。
特にパッと出たアイデアというのは、
水物で覚えておこうとしても
すぐに忘れてしまいます。
なので、プロットを作っていて思いついているシーンは、
必ずメモしておきましょう。
セリフやどんな光景かなど絵やコマとして
書いておくのも良いでしょう。
後でも思い出せるだろうと思って放っておくと、
実際にシナリオを書いているときに
忘れて悔しい思いをすることがあります。
僕の場合は、スマホのメモ機能かメールに
書いておくこことですぐに忘れないようにしています。

また、普段からメモを持っておくと、
思いついたキャラやネタなどをパッと
描けるのでおすすめです。
自分の脳みそは、過信しすぎないことです。
僕が忘れっぽいだけということもありますが、
メモしておくことで過去のものより、
今思いついた展開の方が良いなどの比較も
できるので、できる限り想像できているものは、
形にしておくといいでしょう。
プロットを書くメリットとは

ここまでは、シナリオを書く時の
プロットの書き方について紹介してきました。
では、プロットを書くメリットは、あるのでしょうか。
自分なら、プロットなんか書かなくても
傑作が書けるという自信家な
人もいるかもしれません。
そう思う人は、それでもいいです。
しかし、そんな才能のある人ならばプロットを書くことで
もっといい作品ができるかもしれませんので、
もう少しだけ続きを読んでみてください。
メリットその1 全体像が分かる

プロットをそもそも書く意味でもありますが、
全体像がはっきりとわかるというメリットがあります。
連載作品の場合、序盤からすでに
完結のイメージをしている作家さんは、
かなり珍しいでしょう。
しかし、1話分のプロットは、確実に書いているはずです。
特に短編では、プロットは必須になります。
全体像が分かると何が良いのかというと
無駄が省けるということです。
極端な例ですが、漫画や映画で意味もない入浴シーンとか
トイレに行ったり、ただ食事しているシーンは
描かれないですよね。
美女の入浴シーンなどは、画面的にくぎ付けに刺せる
意図などもあると思いますが、それは少し別の思惑です。
シナリオにとって無駄な描写は、書く意味がありません。
殺人事件が起きているのに、帰って洗濯を干す
探偵の日常なんか見たくもないわけです。

プロットがないと、ここまではないですが
無駄なシーンが増えて、物語が間延びすることがあります。
もちろん全く無駄がダメというわけでもありません。
あえてギャグを挟むことで雰囲気を和ませたり、
伏線を張った後に笑いを入れて
目くらましをさせたりするのにも使えます。
ですが、物語に全く関係ないものは、
書くべきではないでしょう。
そんな遠回りをしないための道しるべとして
プロットが存在します。
メリットその2 伏線を入れやすい

プロットがあるということは、
すでにラストも考えているということです。
なのでバトル物だったら、主人公はどういう能力を
持っているかも決まっています。
すると、序盤にヒロインを助けるときなども
能力にあった助け方をしつつ、どうやって助けたのか
ヒロインと読者にわからないようにすれば
続きを気にさせることができます。
伏線があるシナリオの方が、
読み終わった時のなるほど感が違います。
なるほど感というと曖昧ですが、
カタルシスというか完成度に違いが出ます。
サスペンスでも、全く犯人だと思いもしない人が
犯人だったとしましょう。
しかし、序盤にちょっとだけ不自然な会話を入れておくことで、
後になってあれが伏線だったのかと、
もう一度読んでくれる可能性も出てきます。
物語を作る時に読者に予想させるのも
エンターテイメントの一つです。

特に今は、考察するのが醍醐味のようにもなっているので、
長編作品を書く場合は特に伏線を張っておくのは重要です。
これが行き当たりばったりのプロットなしで書き上げた作品では、
伏線は張れません。
そもそもラストも決まっていないのですから、
伏線の張りようがないわけです。
そのうえ、プロットがないとしっちゃかめっちゃかで、
結局上手く完成しなかったというパターンもあり得ます。
もちろん途中でより良い展開が出てきたり、
キャラが動き出して勝手に物語が
これしかないという方へ進む場合もあります。
ですが、元となるプロットは、重要です。
メリットその3 打ち合わせの段階で修正できる

仕事としてシナリオを書く場合、
打ち合わせをすることが多くあります。
後になって大幅に修正させられたり、
思ってたのと違うと言われたら
大幅なロスタイムになります。
そういう面でもプロット作りは、重要です。
プロットを作って先に見せておくことで、
だいたいどんな内容かクライアントと意思疎通ができ、
お互いに完成系が見えるようになります。
そうすることで基本的には、プロットよりもいいものができ、
予想以上という内容に仕上げられるため、
修正も少なくなっていきます。
仕事の場合は、一つのシナリオに時間を
たくさんかけられないこともあるので、
修正は命とりです。
特に僕の場合は、一度自分が完成だと思った作品は、
直したくありません。
中には、ただ気分だけで思った感じと違うと言って、
修正しようとする人もいます。
ですが、そんなのたまったもんじゃありません。
そういうことが起きないためにも、
プロットで完成像を他人と素早く共有できるのも
プロットの良いところです。
プロットは、道に迷わないための道しるべ

今回は、プロットの書き方とプロットの
メリットについて紹介しました。
プロットは、ゴールに行くためのマップのようなものだと
思っています。
どこで一番面白くするのか、ラストを引き立たすためには
どこで伏線が必要なのかなど、
より面白い作品にするためには
欠かせないものです。
読者がしっかりと楽しんでもらえるためにも
クライアントが迷いなくゴーサインを出すためにも
シナリオライターの頭の中を見せる最初の肯定なので
面倒くさがらずに書いてみましょう。