
どーも、RACCOGARDENのグラです。
シナリオを作る時に一番重要なのが、
キャラクターです。
しっかりした魅力あるキャラができていれば、
極論ただ家でゴロゴロしているような物語でも
面白くすることも可能です。
そんなキャラクターを作るのには、
僕は履歴書を書くことが重要だと思っています。
今回は、僕がやっているキャラクターの
作り方について紹介していきたいと思います。
キャラクターの履歴書って何?

僕は、大学生の頃漫画家になるために
あらゆる漫画と漫画を描くための本を読んでいました。
その結果シナリオは、面白いんだけど、
絵がいまいちだねと言われ続け、
そのうちにシナリオ専門の仕事を
するようになったのが今の仕事の始まりです。
そこで一番役立っているのが、
キャラクターの履歴書を作るという考え方です。
履歴書と言えば就活の時なんかに書く、
今までの経歴をまとめたものです。
これをキャラ設定として細かく書くことで、
キャラを深堀して自分の中で本当にいる人物だと
認識できるようになります。

3000文字程度の短編シナリオの場合は、
ざっくりとしか決めないときもありますが、
長期の連載物であればあるほど、
この履歴書が役に立ってきます。
元々は、この履歴書を作るというやり方は、
『ジョジョの奇妙な冒険』の
荒木飛呂彦先生がやっているものです。
これは、荒木飛呂彦先生の
『荒木飛呂彦の漫画術』という本で紹介されています。
漫画家を目指す人やシナリオライターを目指している人は、
必ず役に立つ知識が満載なので、必読です。
キャラクターの履歴書の書き方

キャラクターを書くときに履歴書を書きますが、
僕の場合はエクセルなんかで表をすでに作っていて、
そこに埋め込む形になっています。
重要な要素から紹介しますが、
名前、年齢、身長、体重、血液型、性格などの
その個人を特定するためのものから
目標、弱点、過去にどんなトラウマを持っているのか、
親との関係、恋愛観なども書きます。
もちろんキャラクターが主役か、
ぽっと出のわき役かどうかで書く量も変わってきます。
しかし、メインキャラクターであればあるほど、
なるべく全てを書いたほうが良いでしょう。
順番は思いつくものからで問題なし

キャラクターを作る時にあまりルールを
決めすぎるのは良くありません。
ルールを決めすぎるといつも同じパターンの
キャラになってしまったり、
行き詰りやすくなるからです。
なんとなく物語を書く段階で、
こういう主人公というイメージが
すでに頭の中にある人の方が多いでしょう。
だからこそ、書こうとしているわけです。
なので、思いつくものから埋めていき、
イメージできないものは、放っておくのも必要です。

物語を書いていると、
その主人公に感情移入していきます。
その世界に入り込んでいるような感覚ですが、
こうやって書いているうちに
主人公のことなどがわかってきます。
最初は、どんな奴かわかっていなくても書いていくうちに
こいつは金遣いが荒いんだなとか、
好きな人の前では緊張して
離せなくなるタイプだわとかわかることもあります。
全てを先にガチガチに決めてしまうと、
融通が利かなくなることもあるので、
ざっくりと決めたうえで
物語を書いていくうちに履歴書を
書き足していくのも必要です。
キャラクターは、何か一つを極端に!一点豪華主義で攻める

キャラクターを書いているとたまに
キャラが弱いと言われることがあります。
これは分かりやすく言えば、パッとしない、
目立っていないという意味です。
編集の人なんかだと
「それ言っとけばいいと思ってるだろ?」的な
邪推をしてしまう時もありました。
しかし、実際にキャラが弱い時ももちろんあります。
そういう時は、とにかく性格を
一点豪華主義にするのがおすすめです。
性格の一点豪華主義というのは、
一個の性格に全振りした
キャラクターということです。
例えば負けず嫌いのキャラクターであれば、
とにかくどんなことにも負けたくなくて、
あらゆる手を使って勝とうとするでしょう。
それでも勝てないような天才キャラが目の前に現れたら、
そのキャラはどうするでしょうか?
こうやって一つだけ極端な性格にして、
そこを強調しまくると
キャラクターは目立ちやすくインパクトも強くなります。

皆に優しくて、気が利いてて、
勉強もできるとかだと余りぱっとしません。
実際の人ならそれが一番です。
でもキャラクターは、極端なのが一番。
ちょっとやばいやつだなくらいが目を見張ります。
女好きならとことんまで女好きに。
食いしん坊なら食いしん坊すぎて、
常に口にパンパンに入ってたら、
とりあえずこいつ何?とは思いますよね。
そこからは、シナリオライターの腕の見せ所です。
その極端な奴がいたとして、
どういう理由なら納得できるのか。
どういった過去を持っていると、そいつらしさが出るかを
考えるのが重要です。
履歴書を書くことのメリットとは

ここまで、キャラを作る時の履歴書の
書き方について紹介してきました。
では、履歴書を書くことで、
どのような効果を得られるのでしょうか。
キャラ作りにおいて履歴書を書くことで
得られるメリットはたくさんあります。
その中でも特に良いと思うメリットを
3つ紹介します。
メリットその1 後からでもキャラのことがわかる

まず、履歴書を書くことで得られる
一番のメリットは、キャラのことを
理解できるということです。
シナリオを書くときに、そのキャラクターのことが
わかっていないと生きたセリフは生まれません。
そのキャラが『俺』と呼ぶのか『僕』、
はたまた『あちき』なんてやつもいるでしょう。
しかし、それも今までの経験で選択したからこそです。
どういう人生を選んで、どういうことを考えているのか
どうか理解していなければ面白い作品は書けません。

シナリオ作りの素人の場合は、
ただ思いついた設定と流れを
なんとなくつじつまが合うように書いてしまいます。
たしかにそれで成功することもあるでしょう。
しかし、キャラが弱い分、
結局なんだったのという事態に陥ります。
キャラクターができているということは、
次回作も書きやすくその後の展開も
そのキャラだからこその流れになります。
キャラの理解度を得るのに、一番の方法だと
思うので、試しに書いてみましょう。
好きな音楽や映画なんかも決めておくと
キャラが出やすいです。
メリットその2 伏線を作りやすい

履歴書を作るとなれば、そのキャラの過去や
生い立ちも考えることになります。
また、兄弟はいるのかや、もしかしたら過去に
重大な事件に巻き込まれているかもしれません。
そんなことも一度頭で考えるよりも
紙に書くことで整理されます。
そして、過去が出来上がっているため、
後になって慌てて取ってつけた過去回想なども
しなくていいのがメリットです。
また、履歴書を書くことで、
今までの経験は見えているので、
伏線となりそうな場面なども作りやすいです。
伏線は、微妙な表情の変化や何かについて
知っているようなセリフから読者に
気づかれないように張っていくものです。
そのため、行き当たりばったりでは、
かなりの難易度になります。
そんな時に履歴書を作っておくことで、
かなり先に分かる伏線も張っておけるなどの
利点があります。

伏線がある物語とない物語では、
完成度と最後のカタルシスに大きな差が生まれます。
漫才なんかでも序盤に出たボケを
最後の方にもう一度やることで天丼になり、
大きな笑いを呼ぶことがあります。
これもある意味伏線です。
そういった伏線が上手くはまった時の
爆発力はすごいので、しっかりと
組み立てていきましょう。
メリットその3 キャラを理解している分、話が進みやすい

履歴書を書いておくことで、
キャラの理解が深まります。
そうなると、基本的に途中で
この後どうなるんだろうと
止まることは無くなります。
このキャラクターなら、
こんな時にこう動くというものが
はっきり見えるようになります。
例えば、仲のいい友達を主人公にしたとしましょう。
普通の会話でも友達が言いそうなことなんかを
思い浮かぶときもありますよね?
それと同じです。
自分で作ったキャラは、自分でもあり、
友達でもあります。
こいつならこう動くという自分の中の核心を持てるか
どうかが面白い作品を書けるかどうかにかかっています。
また、最近の漫画は心理描写を
より細かく描くものも増えてきました。
そんな時にどうゆう考え方をするのか
わからなければ物語は書けません。

そして、それぞれが全く違う考え方を持っています。
飲み会が大好きなパリピもいれば、
僕のような家でとにかくゆっくり映画を見て
はしゃぎたくないという人もいます。
そういう人では、ピンチになった時に
どう考えるかなども変わってくるでしょう。
頭を使うやつ、すぐに諦める奴、助けを求める奴。
人それぞれです。
そういった心理描写は、
キャラを理解していないと書くのは不可能なので、
しっかりと考えておきましょう。
キャラクターは人間!そのキャラの生きた証を知っておこう

キャラクターも同じ人間というように感じて
作品を書かなければ面白いものになりません。
面白い漫画家やシナリオライターの人ほど、
リアルを追求しつつ自分が本当に泣けるシーンしか
キャラクターに泣かせません。
今の世の中、読者もバカではありません。
目も肥えているので、なおさらです。
手を抜いて作った作品は、すぐに見破られます。
こういうのが好きなんでしょとか、
こういうの泣けるパターンだよねみたいな
計算も透けてばれてしまいます。
実際テレビなんかだと、
そういう感じで作っているドラマなんかも見られます。
自分が読者に受けるものを書こうとするのは、
おこがましいと思っています。
それよりもまずは自分が面白いと思うものを書く。
そうしているうちに、他の人も面白く本気で
楽しんでくれるようになるでしょう。